平成21年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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地域連携部会 活動報告連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告8 本章は、主として平成21年10月29日に開催された連携推進委員会において検討・承認された内容ならびにその結果についてとりまとめたものである。これらの検討結果は、その後各部会あるいは小委員会において議論され、平成22年度計画案としてまとめられた。そして、平成21年度第2回連携推進委員会において議決されることとなった。平成22年度事業計画の内、主なものは次の通りである。ここでは実施内容と期待される効果について概要を記述する。1)連携講義の実施 本連携講義は、両大学において優れた特徴を有する大学院および学部の講義を抽出して、その講師が他方の大学に訪問して、訪問先の大学の既存の講義の一環として講義を行うことであり、相互の特徴を引き出すことによって既存の講義の質を高めることを目的とするものである。例えば、室蘭工業大学で先端的な研究を行っている教員が東京都市大学を訪問し、類似科目においてその内容を講義することで、東京都市大学で不足している講義内容を補完あるいは改善する。なお、同様にして東京都市大学の教員が室蘭工業大学を訪問して講義を実施する。また、この連携講義を各専攻や各学部で実施することで、大学全体の教育の質の向上を図ることができる。また、この連携講義を継続的に行うことにより、相互の学生のレベルを向上させ、将来実施するであろう両大学の共同研究活動を担う人材の育成を図ることが可能となる。昨年度は計18名の教員による連携講義が実施しされたが、本年度においても同数の連携講義を企画し、実行する。大学院生については、新たな優れた知識に触れることで、研究に対する視野を広げることができ、現在実施している研究の質を向上させることが期待できる。また、学部生については、先端的な知識に触れることで、相互の研究に対する理解が深まり、将来、新たな共同研究を実施する上で、優れた研究の担い手を育成することが期待できる。さらに、優れた特徴を有する講義を導入することで、講義の手法や内容を教員が研究することも可能である。また、本事業は、互いの人材を有効に活用することができるため、大学教育の質の向上に寄与する。2)教育教材共同開発の実施 両大学において共通基礎科目(物理、化学、数学等)を担当する教員が共同して、教材を使った特徴のある講義(実験)の開発を行う。具体的には、双方の担当者が基礎教育に必要であると思われる講義案を作成し、共同開発の意義がある体験型の講義(実験)を採択し、講義及び教材を作成して両大学でその講義(実験)を実施し、実施後はその教育効果について評価を共同で行い、その後の共同開発に役立てる。理科離れの傾向が顕著な問題となっている工学系の大学では、工学の導入教育として、魅力ある講義を行う必要がある。しかし、予算や人材の問題により、どの現場においても、魅力ある導入教育を立案、実施することが困難である現状がある。そこで、大学の連携を機に、共同で教材を開発することにより、工学の導入に関する問題点や効果的な学習についての意見交換する場を作り、実験的な講義(実験)を実施し、評価することで、工学の導入教育や体験学習のあり方を各担当者が研究することができる。また、このようにして開発した教材を学生が直に手に取ることにより、日常から工学的に思索する機会を得ることができ、学生の学習意欲向上に寄与するものと考えられる。3)教育研究会(FD)の開催 本事業は、両大学に共通する工学系における教育手法についての紹介と意見交換を行なう研究会を実施するものである。これにより、両大学の教育の高度化を推進する。提携した両大学は、工学系の教育に特徴があるが、同時に教育上の問題点、すなわち理科離れにともなう新入生の質の低下、学習意欲の低さなど、を共有している。これらの問題にどのように対処すべきかについて、相互の大学において意見交換を行ない、研究することにより、両大学3. 次年度事業計画について
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