平成21年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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地域連携部会 活動報告連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告40次にニッケル添加量をさらに増加させた過共晶Mg-Ni合金試料を作製し、水素化特性におよぼすニッケル添加量の影響を調べた。 Fig.3 に水冷により凝固させた過共晶Mg-Ni合金のSEM組織観察結果を示す。初晶Mg2Ni相は粗大に析出しており、ニッケル添加量が増加するにつれて初晶Mg2Ni相の割合が増加する。また、共晶Mg-Mg2Ni相は100nm程度の相間隔で析出しており、微細な組織となることがわかった。これらの合金粉末の水素化速度の測定結果Fig.4に示す。水素化測定の1stサイクルにおいて、Mg-31mass%Ni合金では水素の吸収速度は遅いが、ニッケル添加量の増加とともに水素吸収速度が増加していくことがわかる。水素化測定の5thサイクルでは、いずれの試料とも2分程度で水素の吸収がほぼ終了しており、活性化速度が十分になされていることがわかる。また、その後の水素吸蔵量の変化も少なく、水素吸収はほぼ終了しているものと考えられる。最大水素吸蔵量はニッケル添加量の増加ととともにMg-31mass%Ni合金の5.5 mass%からMg-50mass%Ni合金の4.2mass%へと減少していくことがわかった。 以上の結果をまとめると、ニッケル添加量の増加につれて初期水素化速度は増加するが、最大水素吸収量は減少することがわかった。マグネシウムにニッケルを添加するとニッケルの触媒効果により水素吸収速度が増加することは知られているが、本研究の場合はMg2Ni相の触媒効果が現れたものと考えられ、このためニッケル添加量が多いほどMg2Ni相の割合が多くなり水素吸収速度が増加したものと考えられる。一方、Mg相単体では7.6mass%の水素を吸収するものの、Mg2Ni相は3.6mass%しか水素を吸収しないため、ニッケル添加量の増加に伴って最大水素吸収量は減少していくものと考えられる。水素吸収速度と最大水素吸収量のバランスを考えると、Mg-41mass%Ni合金が初期水素化特性もよく水素吸収量も5.1mass%と高い値を維持していることから、この合金が両方の特性のバランスが取れた特性のよい合金であることがわかった。しかしながら、これよりニッケル添加量を減少させたMg-31mass%Ni合金においても水素化速度はそれほど遅くなく水素吸蔵量も大きいので、この合金の水素吸収速度を増加させる第3元素を見つけることができればこの合金の水素吸蔵量を活かすことができるので、この組成の合金も期待が持てる合金であると言える。Fig.2 Time dependence of hydrogen absorption capacity of the hypo-eutectic Mg-14.8mass%Nialloy specimen treated with water-quenched, furnace-cooled and more slowly furnace cooled specimens.Fig.3 SEM micrographs of the Mg-31mass%Ni, Mg-41mass%Ni and Mg-50mass%Ni alloy specimens.Fig.4 Time dependence of hydrogen absorption capacity of the Mg-31mass%Ni, Mg-41mass%Ni and Mg-50mass%Ni alloy specimens.
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