平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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開発するとともに、ニッケル添加マグネシウム合金の水素吸蔵特性の評価を行った。そして、これらを燃料電池システムに搭載し得るように改良を加え、一体化を図る研究を実施した。● 宇宙用スターリングサイクルエンジン発電機の研究:宇宙機の実情に詳しい東京都市大学と、スターリングエンジンの実情に詳しい室蘭工業大学のそれぞれの研究グループが連携し、宇宙用スターリングサイクルエンジンの開発の一環として、作動流体の違い(平成21年度:水素、窒素、ヘリウム)や負荷抵抗の変化(平成22年度)による発電性能の違いに着目する研究を実施した。● 銅酸化物超電導体及び金属間化合物超電導体における新奇なディスオーダー効果に関する研究:超電導物質の基礎物性を研究している室蘭工業大学グループと、超電導体の応用を幅広く研究している東京都市大グループが連携し、材料の高性能化を図ることを目的として超電導に対する不純物効果やディスオーダーの影響を系統的に調べ、新奇な超電導体の合成を目指して銅酸化物高温超電導体における不純物効果の研究を実施するとともに、それらに対する工学的な評価を実施した。● 生体組織の光学特性及びエネルギー伝搬特性に関する研究:光・レーザー応用生体計測技術を研究している室蘭工業大学グループと、動物実験の教育研究を実施している東京都市大学のグループが連携して、レーザー光による経皮的生体組織血流イメージング装置の開発を目的とした2波長スペックル同時画像撮影システムの構築を行い、麻酔下ラットに対する血流イメージングを実施した。また、生体埋め込みセンサーへのレーザー光による効率的電源供給のシミュレーションを実施した。● 原子炉圧力容器用鋼におけるSi(シリコン)添加量の研究:イオン照射実験等を専門とする室蘭工業大学の研究グループと、機械特性評価を得意とする東京都市大学の研究グループが連携して、原子炉圧力容器鋼におけるSiの添加量と長期的な照射脆化の影響を解明するため、Si添加量を段階的に減少させた低Si添加A508鋼とA508相当鋼の機械的特性を実験的に調べるとともに、照射の影響について調査した。10)連携取組内容の公開(HPの更新)本連携事業の取組内容や成果を両大学ならびに広く一般に対して公開することを目的として、HPを開設し、逐次ニュースを公開した。このようなHPの公開では、本事業の取組内容を積極的に情報発信したことで学生や広く一般に本事業の成果を示すことができた。11)テレビ会議システムの導入テレビ会議の導入は、当初から想定されていたものであり、東京と北海道という空間的距離を埋め、事務局の連携を強化するツールとして期待するものであった。東京都市大学が既に有していたTV会議システムを室蘭工業大学が平成21年1月に導入し、それ以降TV会議は小委員会を含めて年に10回程度実施した。12)地域連携事業本事業は、東京都市大学が開発した水素エンジンバス及び新開発の水素電気ハイブリッドエンジンカーの実証走行を室蘭地域にて約1カ月間行い、走行データを取得すると共に、今後の水素・電気自動車に関する教育研究に反映させることを目的としたものである。また、実証走行の機会を活用し、両大学と地域の連携事業として北海道西胆振地域において児童生徒を中心とした環境学習を含めたクリーンエネルギー普及啓発の機会を設けることもその目的にあった。これに関する実施事業は次の通りである。まず、平成21年2月9日には、室蘭地域水素利用タウン研究会に、両大学の関係者らが参加して、地域の水素利用の現状を把握するとともに、今後の連携事業について講演を行うとともに、意見交換を行った。これを契機として、平成21年度には10月20日から11月16日までの約1か月間、室蘭市内にて水素燃料エンジンバスの実証試験走行を行うとともに、同市内にて展示試乗連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会11

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