平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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■ 教育研究部会 活動報告 研究小委員会東京都市大学では、40年余にわたる水素エンジン研究の歴史を有している。この間に得られた知見を活用し、このたびの室蘭工業大学と東京都市大学の戦略的大学連携支援事業の支援により、水素自動車の実用化をめざして研究を推進した。公道走行可能な水素エンジンバスを開発し、室蘭工業大学のご協力を得て実現した当該車両の実証試験により実用化のための課題を明確にすることができ、さらにその対策案を水素ハイブリッドトラックの開発を通じて確立することができた。最終的に完成した高過給水素エンジンとモータを組み合わせたハイブリッドシステムは、ベース車両と比較して遜色ない出力特性を誇り、トラックやバスといった商用車用の代替機関として提案が可能な水準に到達している。このように、本事業により運輸部門における二酸化炭素排出量削減のひとつの選択肢を得ることができたことは非常に意義深いことと思われる。地球温暖化および石油資源の枯渇に対し、二酸化炭素を排出しない石油以外の燃料を使用する自動車の開発は急務である。乗用車に対しては、エンジンに変わるパワートレインとして、燃料電池または蓄電池とモータの組み合わせが提案され、既に実用化が進んでいる。しかし低速域から高速域までフラットなトルク特性が求められかつ比較的高負荷域が多用される商用車については有効な代替機関の提案が乏しいのが実情である。ここで水素は、燃焼により二酸化炭素を排出せず、さらに再生可能な燃料である。水素精製方法についての検討は必要であるが、これをエンジンの燃料として用いることで、エンジンからの二酸化炭素排出量をほぼゼロにすることができる。そのため水素を燃料とする公道走行可能な自動車の提案は、運輸部門における二酸化炭素排出量削減のための一つの方策となりえると考える。そこで本研究では商用車を念頭に置き、水素を燃料とするエンジンを搭載した公道走行可能な自動車の開発を目的とした。製作された水素自動車は、公道走行を可能とするために各種規制を満足する必要がある。車載の水素燃料として現在、高圧水素ガスについての法規が整備されている。そのため燃料は高圧水素ガスを使用することとした。次にエンジンの燃焼方式は、燃料が気体であること、エンジンのシリンダ内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁の信頼性および耐久性が現時点で不足していることから、予混合火花点火式を採用した。さらに二酸化炭素以外の面でもクリーンなエンジンを目指し、触媒を用いることなく排気規制を満足できる性能を目指した。予混合火花点火式水素エンジンの課題は、エンジン出力の向上およびバックファイアや失火等の異常燃焼の抑制である。本研究では、これら課題の解決のため、以下の計画に従い研究を推進した。平成20年度は、エンジン出力向上のため、高過給化に取組む。さらに高過給下における異常燃焼の抑制方法の検討を行う。完成した水素エンジンを搭載する水素エンジンバスを製作する。平成21年度は、前年度に製作した水素エンジンバスにて室蘭市において公道走行による実証試験を行う。これにより水素エンジン実用化における課題を明らかにする。さらに寒冷地で使用した場合に予測される課題の検出を行う。平成22年度は、21年度に明らかにされた水素エンジン実用化における課題の解決を図る。対策案を盛り込んだ車両を製作し、実証試験によりその効果を確認する。平成20年度は、公道走行可能な水素エンジンバスを製作した。その概要を以下に述べる。はじめに1研究背景および目的2方針および活動計画3平成20年度成果概要4水素エンジンバス運行のための技術的課題解決東京都市大学 総合研究所 准教授 伊東 明美連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会42
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