平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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CoPFPの合成は、O-ニトロベンズアルデヒドとピロールを出発物として4段階で合成した(Scheme 3)。まず、酢酸溶中でO-ニトロベンズアルデヒドにピロールを滴下させ、その後、2時間、加熱還流することでmeso-テトラ(o-ニトロフェニル)ポルフィリン(NTPP)を合成した。次に、塩化スズと塩酸を用いて、65℃、25分でニトロ基をアミノ基に還元し、meso-テトラ(o-アミノフェニル)ポルフィリン(ATPP)を合成した。このとき、得られたATPPは4つのアトロプ異性体(α, β, α, β-、α, α, β, β-、α, α, α, β-、α, α, α, α-)の混合物であった。そこで、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより単離し、目的物であるα, α, α, α-ATPPのみを得た。しかし、単離したα, α, α, α-ATPPの収量が少なかったため、残った3つの異性体をトルエン溶媒中、8時間、加熱還流することで異性化させ、再び4つのアトロプ異性体を得た。同様に、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより単離した。得られたα, α, α, α-ATPPに、ピリジンを塩基として塩化ピバロイルと反応させ、室温、2時間でかさ高い置換基となるピバロイル基を導入し、meso-テトラ(α, α, α, α-o-ピバルアミドフェニル)ポルフィリン(α, α, α, α-PFP)を合成した。最後に、塩基として2, 6-ルチジンを用い、塩化コバルトを加え、窒素雰囲気下、2時間、加熱還流することでコバルトを配位させ、目的物であるmeso-テトラ(α, α, α, α-2-ピバルアミドフェニル)ポルフィリンコバルト(CoPFP1)を合成した。また、CoPFPにさらにメトキシ基を導入したmeso-テトラ(α, α, α, α-2-ピバルアミド-4,5-ジメトキシフェニル)ポルフィリンコバルト(CoPFP1)も同様の反応により合成した。これらのCoPFPはCoTPPの上から酸素富化膜の表面に塗布することにより、ポルフィリン機能層の表面側にCoPFP酸素濃縮層、内側にCoTPPの酸素運搬層を形成すると期待し、 2,4,6-トリメチルピリジンと共存、3回塗布のこれまでの最適条件を用いて、2回はCoTPPを塗布し、3回目にCoPFPを塗布した酸素富化膜を作製した。この富化膜の酸素/窒素のガス透過係数比は2.02であり、かさ高い置換基を持たないCoTPPのみの1.88と比べて、選択的に窒素より酸素を透過することが明らかとなった。また、このときの酸素のみの透過係数比は1.43であった。以上のことよりさらに酸素濃縮能を向上した酸素付加膜を作製することができた。今後、さらにポルフィリンの分子構造やアミンの選択を行うことで、より酸素濃縮効率が高く、透過量も多い富化膜を作製できる可能性が見いだされた。Scheme 3 Synthesis of picket-fence porphyrinFigure 3 Oxygen permeation constant of CoTPP-amine-PBM membran連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会69
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