平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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図10は配管内の窒素の温度変化と質量流量から算出した熱交換量を、実験開始時の熱供給量で無次元化したグラフである。蓄熱材がアルミニウムの場合、蓄熱材内部の温度は均一であり、潜熱を有効に活用した熱供給が可能である。そのため実験開始から15分程度は一定の熱供給量が確保されている。一方、塩化リチウムの場合では配管周辺で温度低下が起こるため、実験開始直後から熱供給量の低下が始まる。また、蓄熱材の量を二種類に変化させているが(330gと450g)、双方で熱供給量にあまり違いが見られない。これは外側に高温の蓄熱材が残っているにもかかわらず、低熱伝導率により配管周囲への熱伝導が追いつかないためと考えられる。このように、蓄熱材の選択においては蓄熱性能のみならず熱伝達性能も十分に考慮する必要があることが本研究により明らかになった。東京都市大学において、液体窒素と水を混合させることにより液体窒素を気化させ、これをノズルより噴射させることにより推進力を得る液体窒素ロケットエンジンの研究がすすめられている。一方室蘭工業大学では、地上に敷設したレールの上をジェットエンジンやロケットエンジンを取り付けた台車を走行させ、搭載した飛翔体やその推進機の実験を行う高速走行軌道装置の研究開発がすすめられている。今回両者が協力し、東京都市大学の製作した液体窒素ロケットを室蘭工業大学の高速走行軌道装置上で実験することを計画中である。広大な面積をもつ北海道の地の利を生かした今回の試みは一般の人々からの注目も高く、地元紙の新聞記事として取り上げられた(室蘭民報、平成23年2月3日)。この研究に関しては来年度春以降に実験を実施する予定である。戦略的大学連携事業の一環として、航空宇宙分野に関する幅広い研究テーマを対象に共同研究を行った。宇宙機の実状に詳しい東京都市大学側の研究者と、スターリングエンジン研究に実績のある室蘭工業大学側の研究者が協力することにより、宇宙用スターリングサイクル発電機研究の活性化を図った。両者の話し合いにより、新たな研究テーマも生まれつつある。今後も両者の連携を深め、研究の促進に生かしていきたい。参考文献[1] Brandhorst Jr., Henry W.: Development of a 5kW Free-piston Stirling Space Convertor, 5th International Energy Conversion Engineering Conference, 2007.[2] 山下巌、濱口和洋、香川澄、平田宏一、百瀬豊:スターリングエンジンの設計、パワー社[3] 前島孝晴、岡村敏男、郷内敏夫、山崎裕之:リチウムイオン電池の人工衛星への適用、信学技報、2001, pp.63-70.液体窒素ロケットの地上走行実験3まとめ4図10:熱供給量変化率の違い連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会90
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