ニュースリリース

  • 東京都市大学 

  • DATE
  • 2011年11月4日

室蘭工業大学白老実験場における水/液体窒素ロケットの高速軌道上稼動試験について

 平成23年9月17日から24日にかけて,室蘭工業大学航空宇宙機システム研究センター(代表:棚次亘弘特任教授)白老実験場において、東京都市大学宇宙システム研究室(代表:目黒在教授)が開発した「水/液体窒素ロケット」の高速走行軌道実験が実施されました。
 これは、室蘭工業大学と東京都市大学との戦略的大学連携支援事業の一環である共同研究として実現したものです。水/液体窒素ロケットとは、液体窒素(-196℃)と100℃の水を混合する際に生ずる窒素の気化膨張を利用した非燃焼ロケットエンジンを搭載したロケットであり、平成15年度より東京都市大学において研究がなされています。小型で非燃焼とはいえ、大きな音を伴う高速噴流が発生するため、住宅地に隣接している東京都市大学では実験が実施できず、これまでは東京都あきる野市にある企業の敷地内で固定台に乗せて噴射する実験を実施していました。研究の成果を踏まえ、打ち上げロケット製作という段階になりましたが、いきなり打ち上げロケットを製作しても、回収に失敗すればロケットは壊れていまい、研究が出来なくなってしまいます。
 連携事業の枠組みの中で、高速走行軌道実験装置の存在を知り、本ロケットの横方向の発射に利用できないか検討をしてきました。軌道上を移動している限り破損の心配はなく、ロケット飛翔条件下におけるエンジン性能や機体性能の解析ができます。
 ロケットの設計製作は平成22年度から東京都市大学にて開始され、棚次亘弘特任教授・東野和幸教授・中田大将特任助教ら室蘭工業大学諸先生方の御助言・御支援を頂きながら、平成23年9月(つまり実験直前)に完成しました。実験には、東京都市大学から渡邉准教授・学生5名の計6名、室蘭工業大学からは棚次教授・東野教授・中田助教らが交代で参加して頂きました.実験は100mの軌道上を最大で24m移動するという結果に終わり、予想移動距離の半分程度となってしまいましたが、実験準備・機体設計製作・実験実施の中で学生達は多くのことを学んだようです。

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